初老のボケ防止日記

おっさんのひとりごとだから気にしないようにな。

定額音楽配信サービスの「Google Play Music」と「Spotify」を比較してみた

元々音楽を聴くのが趣味みたいなところもあって、これまで様々な定額制音楽配信サービスを試してきた。

試聴期間を試した結果、現時点で次の3種類を有料で利用している。

  • Amazon Prime Music
  • Google Play Music(以降、GPM)
  • Spotify

「Amazon Prime Music」は音楽を聴く為にお金を払っていると言うよりはプライム会員の特典として利用しており、提供楽曲も"最新ではないメジャーな曲が中心"という構成なのでもっぱら食事中のBGMとして利用している*1。一人でじっくりと音楽を楽しむ場合は「Spotify」か「GPM」のどちらかしか利用していないのであるがどちらのサービスも甲乙着け難く、数ヶ月に渡って二つのサービスを気分に応じて使い分けてきた中で見えてきた両サービスの違いについてまとめてみた。

利用環境

自分が定額制音楽配信サービスを利用する環境は以下の通り。

  • 定額制音楽配信サービスの利用は自宅のみ
  • ハイレゾの違いはわからないのになるべく良い音で聴きたいと思っている
  • 手持ちの楽曲もそれなりにあり、定額制音楽配信サービスでは手持ちではない曲をメインで聴く
  • 聴くのは洋楽(米英)メイン

なお、手持ちの曲は全てスマホのSDカードに入れてあってたしか
7万曲弱ゥ...

でもって音楽を聴く環境は現在このようになっている。

osa030.hatenablog.com

ということで、一般的な環境で使った感想とはかなり異なることを予めご承知おき頂きたい。

提供楽曲

公式ページの説明によると、どちらも「4,000万曲以上」と謳っているのだが、邦楽に関しては「Spotify」よりも「GPM」が充実している。と言っても、邦楽の最新曲は一部のアーティストしか提供されていないので邦楽メインならば「GPM」のほうがオススメと言う訳でもない。詳細は以下を参照。

osa030.hatenablog.com

ということで、洋楽中心であれば「Spotify」でも問題はない、
という訳でもない。

洋楽といっても、それぞれ微妙に提供楽曲が異なっている。例えば、以下の楽曲は「GPM」にはあるが「Spotify」にはない。

www.youtube.com

提供数が同じ「4,000万曲」なので「GPM」は日本人向けに知ってそうな曲が充実しており、「Spotify」は世界中の自分の知らない曲が沢山提供されているのではなかろうかと思われる。
なお、どちらのサービスもローカライズが中途半端なおかげか検索条件によって楽曲が検索結果に表示されないケースもあるので注意されたい。

音質

現時点(2017/4)で国内で利用できる定額制音楽配信サービスは全て圧縮形式で音楽を配信している。
「GPM」と「Spotify」が配信に用いる圧縮形式は以下の通りである。

サービス 圧縮形式 ビットレート(最大)
GPM MP3 320kbps
Spotify Ogg Vorbis 320kbps

一般的には同じビットレートであれば"MP3"よりも"Ogg Vorbis"の方が音が良いとされている。
Vorbis - Wikipedia

確かに、同じ曲を聴き比べてみると「Spotify」のほうが自分の耳には心地よい音で聴こえたのだが、だからと言って「GPM」の音質が悪いという印象もなかった。ビットレートが320kbpsであれば"MP3"と"Ogg Vorbis"に聴き分けられる程の明確な音質差があるとは思えないし、以下のサイトのレビューによれば「Apple Music」以外のサービスの圧縮形式は同じ"MP3"であるにもかかわらず音質が異なるという話も書かれているので、各サービスで音源を配信する際に音質を独自にチューニングしているのであろう*2
【連続レビュー】定額制音楽配信、現在の実力比較(1)「Apple Music」− 大幅刷新で何が変わった? (1/3) - PHILE WEB
【レビュー】定額制音楽配信 実力比較(2)「Google Play Music」− 自慢のレコメンドエンジンの精度に迫る (1/3) - PHILE WEB
【レビュー】定額制音楽配信 実力比較(3)「AWA」 − 国内スマホサービスの雄の“本気”実感 (1/3) - PHILE WEB
【レビュー】定額制音楽配信 実力比較(4)「LINE MUSIC」 − LINE連携がキモ。モバイルと併用でおトクに (1/2) - PHILE WEB

その他の機能

その他の機能を比較するとこんな感じ。

機能 GPM Spotify
手持ち曲のクラウド上へのアップロード ×
自作プレイリストの共有
好みの曲を再生
ファミリープラン ×

手持ち曲のクラウド上へのアップロード

「GPM」は手持ちの楽曲をクラウド上へアップロードすることができるのでいつでもどこでも好きな音楽を楽しむことができる。これはすごく魅力的な機能なのであるが、
オジサンは手持ち曲は全てスマホのSDカードに入れてある。
だからスマホを持っている限りどこでも再生できてしまうのだ、参考にならなくてスマン…。因みにアップロードする時に楽曲は全てMP3に変換されるらしいのでFLACとかのハイレゾ音源は注意だ*3

Google Play Music でサポートされているファイル形式 - Google Play Music ヘルプ

自作プレイリストの共有

実は今回記事を書くまでプレイリストの共有は「Spotify」だけと思っていたのだけれども、実は「GPM」でもできるらしい。

Google Play ライブラリの音楽を共有する - Google Play Music ヘルプ

が、他のユーザが共有したプレイリストの
検索方法が謎。
この辺は「Spotify」のほうが楽だし、何より匿名でも公開できる(GPMのプレイリストを公開した場合に作成者のGoogleアカウントが見えてしまうのかは謎)。あと複数ユーザで同じプレイリストを編集できるとかも素晴らしい(誰も編集してくれないけれど...)。

この辺りはサービス提供側が想定している利用者の使い方の違いなのではなかろうか。「GPM」は(Googleアカウントに紐付いているので)写真や動画と同じように知り合い同士で共有することに重きを置いているのに対して、「Spotify」は(Facebookアカウントと紐付けることはできるが)Spotifyアカウントだけで利用できるので知らない人同士での共有を前提としているように感じる。そうした思想の違いもあってか、実際使ってみると「Spotify」は世界中のユーザが作成したプレイリストから新たな音楽を知る機会は多く、「GPM」は公式が作成したプレイリスト(しかも日本人向けのタイトルで検索しにくい)しか見つからないので、新たな音楽との出会いのチャンスが「Spotify」程多くはない、というか
GPMのプレイリスト、検索しにくい(怒)。

好みの曲を再生

「GPM」なら"I'm Feeling Lucky"、「Spotify」なら"Discover Weekly"というのが自分の再生履歴を元に好みの楽曲を判定してプレイリスト(ラジオ)を自動作成してくれるもの。それぞれ似たような機能なのであるが、実は結構違う。

GPM「I'm Feeling Lucky」

基本的には過去の再生履歴に応じて自動的にプレイリストを作成してラジオ再生してくれるのだが、設定から好みのジャンルやアーティストを選択することができるのでより自分の好みに沿ったプレイリストになる可能性が高い。しかも、気に入らなければ
何度もガチャ回せる。

Spotify「Discover Weekly」

Discover Weekly - Spotify

過去の再生履歴に応じて自動的にプレイリストを生成してくれるのは同じ、お気に入りの曲や
アーティストも加味されているようなので「GPM」と同様であるが、毎週月曜日に更新されるのが特徴。ということで
自分でガチャできない。

それぞれの自動作成するプレイリストについて、「GPM」は王道な曲でど真ん中を攻めてくる感じで外れは少ない印象。それに対し「Spotify」は、曲調を意識して有名無名、英語圏問わずワールドワイドなチョイスで突っ込んでくるのでストライクゾーンを幅広く変化球織り交ぜて攻めてくる印象である。

ファミリープラン

現時点で日本国内でファミリープランが利用できるのは「GPM」のみである。「Spotify」は海外では提供されているのでそのうち展開される可能性は高い。

Google Play Music ファミリー プラン - Google Play Music ヘルプ

どっちがオススメか

正直なところ定額制音楽配信サービスとしての基本的な機能は明確な差はないのだけれども、上述のように想定している利用するユーザ層が異なるように思えるので"仲間内で音楽を共有して楽しみたい"なら「GPM」のほうが皆が知っている曲が充実しているっぽいので盛り上がるのではないだろうか。逆に"一人で音楽を隅から隅まで味わいたい"なら「Spotify」のほうがワールドワイドな楽曲が充実しており世界中の見知らぬ利用者とプレイリストの共有をして互いにニヤニヤできるので知見を広げやすいのではないだろうか。
個人的には「Spotify」の"Discover Weekly"でフィルター設定(日米英だけとか)あれば満足しそうではあるが、現時点ではないので「GPM」の"I'm Feeling Lucky"も捨てがたい状況なので結論を出すのはもう少し先になりそうである…。

*1:宗教上の理由でChromecastに対応してくれないというのも理由のひとつである

*2:各記事で再生環境も違うじゃないかというツッコミはやめなさい

*3:ChromecastだとFLACまでサポートされているのに残念であるが容量考えたらそうなるよね