黒川博行の「疫病神シリーズ」にハマる
しゃっちょさん今月のシノギたりないのねん。
つい先日までPS4で龍が如くシリーズをプレイし続けたせいで…
任侠系のストーリーにハマってしまった。
ということで、動画配信サービスで良い作品はないものかと探してみたら、Netflixで以下の作品を見つけた。
本作品で極道役の北村一輝は「龍が如く 劇場版」で桐生一馬を演じており、そのルックスの決まり具合から最初はNetflixでコッチを見る予定であったのだが、再生開始5分でなんとなく嫌な予感がしたので見るのを中断、他に良さそうな作品はないかと探したら発見した作品である。こちら、元々はBSスカパー!のオリジナルドラマ作品で黒川博行原作のハードボイルド小説が原作となっているのだが
全くもって任侠要素なかった。
絶賛の声が止まない黒川博行氏の大人気ハードボイルド
“疫病神シリーズ”の最高到達点となった今年の直木賞受賞作「破門」(角川書店)と
そのシリーズ第一作目となる「疫病神」(角川文庫・新潮文庫)を早くもドラマ化 !!
大阪を舞台に、ミステリ史上最凶の“疫病神コンビ”が、
金の臭いに群がる悪党たちを相手に暴れ回る !
スリルと衝撃が疾走する本格ハードボイルドドラマが誕生 !!
任侠なんてどこ吹く風、北村一輝演じる終始カネに貪欲なイケイケ極道の桑原と濱田岳演じる口だけは達者だがカネにだらしない建設コンサルタントの二宮がシノギを巡ってドタバタするのが基本の話なのであるが、原作のストーリーの秀逸さとW主演の御二方の演技もあり一気に視聴して楽しめた。
あまりにも楽しかったので、本ドラマの続編作品も(配信対象でなかったので)レンタルで借りてきてイッキ見した。
疫病神シリーズ
残念ながらドラマは「破門」と「螻蛄」のみであり*1、ドラマ化された作品もドラマ向けに原作から変更されている部分や時間的に省略された話もあるであろうことから、疫病神シリーズを全部読破することにした。ていうかもうした。
以下は発刊の順番で記載している。ストーリーは各巻で完結しているのでどこから読んでも問題はないのであるが、スト-リーの根底にある設定は引き継がれているので、できるだけ発刊順に読むのがオススメである。
疫病神
建設業とヤクザの話。
記念すべき第1作。桑原と二宮の出会いから、建設コンサルタントという怪しい肩書きの仕事内容や最終処分場に絡む利権の話が描かれている。ドラマ版「破門」の前半はコチラがベース。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/12/25
- メディア: 文庫
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国境
詐欺グループとヤクザの話。
シノギの回収相手を北朝鮮に密入国してまで追い込みをかける桑原さんの執着心に涙する作品。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/12/04
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暗礁
運送業と県警とヤクザの話。
運送業者と県警を相手にカネをもぎ取ろうとする桑原さんの度胸に感動する作品。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 黒川博行
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螻蛄
宗教法人とヤクザの話。
「けら」と読む。本来無欲なはずの宗教法人が欲にまみれてドロドロした所につけこむ桑原さんに歓喜する作品。ドラマ版「螻蛄」はコチラがベースなのだが、映像化の順番上、ドラマでは破門の後という設定に変えられている。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/01/28
- メディア: 文庫
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破門
映画製作委員会とヤクザの話。
天下の桑原さんに追い込みをかけられてもスキあらば出し抜こうとする相手にハラハラする作品。
第151回直木賞受賞作。ドラマ版「破門」の前半はコチラがベース。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/11/25
- メディア: 文庫
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喧嘩(2016年12月?)
政治家とヤクザの話。
「すてごろ」と読む。前作の最後でアレしたけど相変わらずな桑原さんにファン大喜びの話。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/12/09
- メディア: 単行本
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オススメポイント
以上、ネタバレが内容に完結に各作品を説明したが、本シリーズの見どころは何と言っても疫病神こと桑原さんのイケイケ極道具合とカネへの執着心、そして疫病神に翻弄されながらもどこか楽しんでいる二宮の二人の掛け合いが楽しい。毎回テーマとなっている話は実際にあった事件や社会問題をベースにしたシリアスなもので、そこへハイエナの如くヤクザがシノギをとりにいく流れなので、ともすればつまらない話になりがちなのであるが、物語の舞台は基本的に大阪で会話はすべて大阪弁と、まるで漫才のような軽快なテンポで物語が進むのである意味新喜劇的なノリであるし、極端な暴力描写やエロ描写もないので、老若男女紳士淑女でも楽しめる娯楽作品である。
さらに言えば、冒頭で紹介したドラマを見て楽しいと感じた人は、原作を読む時もそれぞれ北村一輝と濱田岳で脳内再生されるので楽しさ倍増である。ドラマを見てハマらなかったら
ごめんやで。
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- 発売日: 2015/08/07
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*1:スカパーには是非共続編を制作してもらいたいところなのであるが「破門」を別キャストで横取り映画化されてしまったのでなかなか難しいところではなかろうか