初老のボケ防止日記

おっさんのひとりごとだから気にしないようにな。

iFi audioのスティック型USB-DAC/ヘッドフォンアンプ「GO Bar」をポチりました。

あれ?オーディオ沼は卒業したはずでは…?

昨年末に声高らかにオーディオ沼卒業を宣言した初老。

osa030.hatenablog.com

実は年明けから、今までのようなガチ環境ではなく、もっとカジュアルに音楽を良い音で聴ける環境を色々と模索していたのだけれども、ようやく満足行く製品に出会えました。それが…

Go, Go, GO!

GO barは、iFiで最高級のスティック型USB-DAC/ヘッドフォンアンプです。

通勤中、リモートワーク中、デスクワーク中、あるいは単なる旅行中であっても、GO barはヘッドホンを最高のサウンドにするための完璧なポータブル機器なのです。

ノートパソコン、Macbook、タブレット、スマートフォン、その他USBポートを持つデジタル機器に接続し、自宅で、オフィスで、移動中にもセンセーショナルなサウンドをお楽しみください。

GO bar | iFi audio 日本語ブランドサイト

"スティック型USB-DAC/ヘッドフォンアンプ"というのは、バッテリーを内蔵していないタイプの小型のUSB-DAC/ヘッドフォンアンプのこと。これをPCなりスマホに繋ぐことでいつでもどこでも高音質で再生できるって訳です。

こちらが「GO bar」。サイズや重量的には100円ライター程度。”Lightning -> USB-C OTGケーブル”と”USB-C OTGケーブル”も付属しているのでAndroidでもiPhoneでも接続できちゃう。写真にないけど”USB-C -> USB-Aアダプター”も付属するのでType-CのUSBポートがないPCにも接続できちゃう。しかも

  • 音量調整ボタン付
  • LEDインジケータ付
  • シングルエンド/バランス両出力対応
  • MQA対応
  • 4種類のデジタルフィルター
  • 2種類のアナログ補正

と機能も豊富。気になるお値段は標準価格「49,500円(税込)」と、

どの辺がカジュアルやねん。

流石に気軽にポチるレベルではないので、検討を重ねた結果、購入に至ったのである。

購入までの道のり

実は今回「GO Bar」を買う前に、いくつか"スティック型USB-DAC/ヘッドフォンアンプ"や”バッテリー内蔵型のポータブルアンプ”を試していたのだった。

Astell&Kern PEE51

一番最初に試した製品。シーラスロジックのDACに興味を惹かれ酒に酔った勢いで購入。音質自体は好みだったものの、

  • 音量調整ボタンがない
  • バランス出力できない
  • 接続ケーブルが本体から外せない
  • MQAに対応してない
  • AndroidのTIDALアプリで排他モードで使うとフリーズする

といった機能面で満足できずドナドナ

Questyle M12

次に試した製品。自分はTIDALをメインに利用しているので"MQAを最終展開した音で聴いたらどうなるのだろう"と思い、また酒に酔った勢いで購入。PEE51で満足できなかった機能面のいくつかは解消されたものの、

  • 音量調整ボタンがない
  • バランス出力できない

は解決されず、音質的にはPEE51のほうが好みだったのと当時利用していたヘッドホン「FOSTEX T60RP」を鳴らしきれていない印象を受けたためドナドナ

iFi audio hip-dap2

その次に試した製品。"T60RPを鳴らすにはパワー重視。バッテリー内蔵!"と思いまたまた酒に酔った勢いで購入

  • 音量ボリュームノブ付
  • LEDインジケータ付
  • シングルエンド/バランス両出力対応
  • MQA対応
  • 1種類のアナログ補正(XBass)
  • AndroidのTIDALアプリで排他モードで利用可能

と、これまで機能面で残念と感じていた点は全て解決し、XBassによる低音補正後の音も好みであったが、バッテリー内蔵ゆえに本体の取り回しがよろしくない点やボリュームノブに軽く触れただけで爆音になる点等、使い勝手の部分でストレスが多かったことと、ヘッドホンを「FOSTEX T60RP」から「Meze 99 Noir」に替えたので”T60RPじゃなければスティック型でも充分では?”と思ってた頃に「GO bar」の存在を知り、

  • 機能面では「hip-dac2」同等以上(むしろプラス)
  • バッテリーレスかつデジタルボリューム(使い勝手よさそう)
  • 「hip-dac2」と同じiFi audioの製品なので信頼もできる(ハズレはない)
  • 音質が気に入っていたPEE51と同じシーラスロジックのDAC搭載(気分)
  • ポイント還元が高いセール日に買えば実質3万台前半(むしろお得)

と物欲を高めてやっぱり今回も酒に酔った勢いで購入に至ったって訳です。

実際に使ってみて

ここからは実際に使ってみた感想とかを。

機能

「GO bar」のウリである「デジタルフィルター」と「アナログ補正」は、他のiFi audio製品でも定評ある機能で、ユーザの好みに応じて設定を切り替えることができるのが特徴。「デジタルフィルター」と「アナログ補正」の詳細は以下の通り。

デジタルフィルター

デジタルフィルターは次の4種類を選択可能。ビットパーフェクト派からアップサンプリング派まで幅広く対応。

フィルター 説明
BP ビットパーフェクト:デジタルフィルターなし、プリ/ ポストリンギングなし
STD スタンダード:適度なフィルタリング、適度なプリ/ ポストリンギング
MIN ミニマムフェーズ:スローロールオフフィルタ、最小プリ/ ポストリンギング
GTO ギブズ・トランジェント・オプティマイズド:352/384kHz にアップサンプリング、ミニマムフェイズ、プリリンギングなし、最小ポストリンギング

正直なところ明確な違いはわからないが、個人的には"BP"が好きかもしれない(以前愛用していた「RME ADI-2 DAC FS」もNOS設定だったし)。”GTO"はロッシーな音源に使うと効果が高そうなのでSpotify派にはいいかもしれない。

アナログ補正

アナログ補正は次の2つのモードをそれぞれON/OFFできる。(つまり4パターン)。

モード 説明
XBass+ 失われた低音域をブーストし、原音をより正確に再現します
XSpace ホログラフィック音場補正により、音楽を開放的にし、ライブコンサートのような広々とした空間を提供します

"XBass+"は「hip-dac2」に搭載されていた"XBass"の拡張版っぽい(名称から推測)。「hip-dac2」の”XBass”は、どんな曲も低音が強調されるのがわかる程の濃い口な味付けだったのに対して、「GO bar」の”XBass+”は、曲によってほんのり強調されているのがわかる程度の薄口な味付けとなっている。

"XSpace"は「hip-dac2」にはなかったので比較できないのだけれど、ONにした時にどんな曲でも違いが明確わかるほどでもないのは”XBass+”と同じ。効果的には若干空間的な広がりが増すが輪郭がぼやける気もするのでスタジオ盤をじっくり聴く時よりはライブ盤を聴く時に使うのがいいのかもしれない。

音質

次の構成で聴いた場合の超主観的なやつ。アンバランスで試せていないのであくまでシングルエンドでの感想。

構成 名称
音源 TIDAL
再生機器 iPhone 12 mini
ヘッドホン Meze 99 Noir

一言で言えば…

サイズは100円ライターなのに音は5万クラス。

つまり…値段也って話なのであるが、これまで試した"スティック型USB-DAC/ヘッドフォンアンプ"とは次元の違う音質(値段も次元が違うのだが)。同社製の”バッテリー内蔵型のポータブルアンプ”である「hip-dac2」と比較しても、「GO bar」のほうが音の解像度が高く芯も強く感じる。そのせいもあってか、"XBass"の補正無しだと「hip-dac2」より「GO bar」のほうが低音がよく通る印象だ。オーディオ沼的な表現で言えば"電源を変えたら沈み込みが増した的な?"

ってことで、正直「GO bar」とスマホがあれば15万するDAPとか買わなくてもいいんじゃないかと思える程。だって、浮いた予算でイヤホンとかヘッドホン買えるじゃん?

注意点

さて、そんな「GO bar」ですが一点だけ注意して欲しいことが。

*バッテリー残量が少ない場合(30%未満)やバッテリーの性能が劣化している場合には、旧モデルのiPhoneでは使用できない場合があります

GO bar | iFi audio 日本語ブランドサイト

と公式HPにもさりげなく書かれている通り、「GO bar」さんは見かけの割に大食らいなので電源供給元となるスマホのバッテリー容量や残量に気をつけておかないと再生できなくなる。参考までに、「iPhone 12 mini」に接続して利用した時の挙動を書いておく。

Apple 純正「Lightning - USBカメラアダプタ」(+「GO bar」付属”USB-C -> USB-Aアダプター”)で接続

消費電力デカすぎだよバカヤローコノヤロー

と怒られて使えない。恐らく、”Lightning - USB 3カメラアダプタ”でも同じ気はする(が、実際どうなのだろうか)。尚、Apple純正品でなくてもMFi認証製品だと恐らく動作は変わらないと思われ。

「GO bar」付属"Lightning -> USB-C OTGケーブル"で接続

問題なく使えるものの、バッテリー残量が一定量を下回ると外部接続機器への電源供給を停止されて使えなくなる。自分が利用している「iPhone 12 mini」の場合、バッテリー残量100%の状態で「GO bar」を繋いで音楽再生を続けると大体2時間程で70%を割り込みiOSが「GO bar」への電源供給をストップしてしまい再生されなくなった。公式HPでは"30%未満"とあるので、iPhoneのバッテリー容量によってしきい値が変動すると考えて良いだろう(iPhone 12 miniのバッテリー容量は”2,227mAh”と少ないのでしきい値が70%とかなり高くなってるんだと思われる)。

因みにワイヤレス充電対応のiPhoneであれば、充電中に発熱はするものの充電しながら「GO bar」経由で音楽再生することができる。iPhone 12以降の場合、Magsafe対応モバイルバッテリーを使えばiPhone本体に吸着するので使い勝手がよい。

試しにこの製品を購入して充電しながら音楽再生したところ、充電中は残量が殆ど減らなかったので長時間再生もいけそうだ(バランス接続した場合は消費電力が増えるのかもしれないのでそこは注意されたし)。

FOSTEX ヘッドホン T60RP

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