初老のボケ防止日記

おっさんのひとりごとだから気にしないようにな。

老いを感じた瞬間。

先日「Spotify」で音楽を聴いていた時のこと。

ここ最近は音楽は全部「Spotify」でしか聴いていない。Spotifyには4,000万曲以上の楽曲から提供されているが、主に聴いているのは昔よく聴いた洋楽とSpotifyが教えてくれるオススメの曲ばかりだ。
学生の頃は、每日のようにCDショップに通ってはチャートの曲をおっかけたり、スタッフリコメンズなアルバムを試聴したりして普段聴かないアーティストを発見する楽しみがあったのだが、今やそれは音楽サービスの提供するAIがやってくれる。しかも、自分が好みの曲の傾向を基に数千万曲の中からピックアップしてくれるのだからすごい時代になったものだ。
話が脱線したが、Spotifyには「Realase Radar」という毎週更新される自分の傾向にあった最新を教えてくれるプレイリストがあって、たまに見てみると”あ、このアーティストのニュー・アルバム出てたんだ!”みたいなこがあって地味に便利なのである。で、つい最近この「Realase Radar」を見てStingのニュー・アルバムが出たことを知った。

My Songs

My Songs

「My Songs」というアルバム名からわかる通り、Stingがかつて在籍していたThe Police時代の曲を含めた過去の自身の曲をセルフ・カヴァーしたアルバムだ。早速聴いてみたところ、昔よく聴いた曲ばかりで懐かしむと同時に謎の違和感を感じはじめた。この違和感、前にどこかで感じたのと同じだ…と記憶と辿ってみたら、たしかNHKかどこかの歌番組で聖子ちゃんこと、松田聖子やユーミンこと、松任谷由実が過去のヒット曲を歌っていたのを見た時に感じたのと同じものであった。具体的には

  • 当時のような高音が出ないのでキーを下げてる
  • 喉をいたわっているかのような強い癖を感じさせる歌いまわし
  • 心拍数を上げすぎないようにテンポ落としてる
  • 謎の現代風アレンジ

などなど。もっとも、2019年時点で67歳と言う年齢を考えれば妥当、むしろ貢献しているほうかもしれない。自分が初めてStingと出会ったのはこの曲。


Sting - Englishman In New York (Official Music Video)

当時中学生だったのでどちらかというとロックばかり聴いていたのだが、この曲のジャズっぽさやStingの大人の男っぽさが格好良くて思わず収録アルバムを買ってしまったほどだ。

ナッシング・ライク・ザ・サン

ナッシング・ライク・ザ・サン

当時のStingは35歳前後で男として一番脂の乗った時期で容姿もセクシーだったし楽曲も当時ロック一辺倒だった自分からするとジャズテイストで大人びた感じの格好良さがあった。「The Police」時代の曲もそれ以上に最高にクールだった。今回、30年の時を経て黄金期に生み出された数々の名曲をセルフ・カヴァーしたことを非難するつもりは全くないし、今回のアルバムがそこまで嫌いという訳でもない。
違和感を感じてしまったのは、10代の頃に聴いたオリジナル版と30年後のセルフ・カヴァー版の違いを素直に受け止められなかっただけの話だ。つまり、いつのまにか自分は保守的になってしまったのだ。自分では肉体的には衰えてきても心や思考は若いほうだと思ってたんだけど。ということで、この事実を知った時に一番衝撃をうけた。

  • Sting「My Songs」


  • Sting「My Songs」収録曲のオリジナル版プレイリスト