自宅リスニング環境を更新した(その4)
「DigiOne Signature」のRPi(Raspberry Pi)への取り付けと専用アクリルケースの組み立てが完了したので早速、音質チェックや。といきたいところだが、まだ準備が必要だった。
物理接続
「DigiOne Signature」電源
「DigiOne Signature」はDDC専用電源(クリーンサイド)を独立させることで高音質を実現しているらしい。また、RPi本体への電源(ダーティサイド)も「DigiOne Signature」経由で供給される。
つまり、RPi本体へは電源ケーブルを接続せずにこのように「DigiOne Signature」に2本の電源ケーブルを接続する。
両方ともType-C端子となっているので、USB充電器やUSBモバイルバッテリーが利用できるのだが、クリーンサイドにモバイルバッテリーを使う場合はちょっと注意が必要だ。
今時のモバイルバッテリーには、大抵「オートパワーオフ」という接続した機器の充電が完了すると自動的に電源がオフになる機能がついている。これは、充電完了後にバッテリーが放電しないようにする為の便利機能なのだが、クリーンサイドが必要とする電力は"100mA"と微弱な為、本機能を持つモバイルバッテリーをクリーンサイドに繋ぐと、正常に電源供給されないのだ(他のユーザさんに教えて頂いた)。
ということで、「オートパワーオフ機能」がついていないモバイルバッテリーを繋ぐ必要があるのだが、選択肢はあまりないようでIoT向けの以下製品が見つかった。
cheero Canvas 3200mAh IoT機器対応 モバイルバッテリー ホワイト CHE-061
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これなら、勝手に電源を停止される心配はなさそうだ。
同軸デジタルケーブル
「DigiOne Signature」を使う場合、ボード上のRNCコネクタもしくはRCAコネクタ経由でDACと同軸デジタル(COAXIAL)接続する必要がある(つまり、「DigiOne Signature」を使うにはDAC側がCOAXIAL入力に対応している必要がある)。 以下のようなRCAの同軸デジタルケーブルでも問題ないのだが、
audio-technica GOLD LINK Fine コアキシャルデジタルケーブル 1.0m AT594D/1.0
- 出版社/メーカー: Audio Technica(オーディオテクニカ)
- 発売日: 2007/08/24
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どうせならRNCコネクタを使ってみたかったので、以下の製品を組み合わせて使うことにした。
CANARE BNCケーブル(0.5m) D3C005A-S
- 出版社/メーカー: CANARE
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カナレ/CANARE BNC-RCA変換アダプタ BNC(メス)-RCA(オス) BCJ-RCAP
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RPi設定
物理接続はクリアしたので、次はRPiの設定。今回はRPiのディストリビューションに「Volumio」を使っているので公式の手順通りで問題なく利用できた。
カーネル設定
/boot/config.txt に以下の1行を追加
dtoverlay=allo-digione
これで、起動時に「snd-soc-allo-digione.ko」のドライバがロードされるようになる*1。
DigiOne-Signature-Tech-Manual.pdf
Volumio設定(GUI上)
次に、VolumioのGUIからMPDの出力を変更して「Allo Digione」を選択する。Output Deviceの表示名がバージョンや選択言語で少し違う可能性があるが、基本的にはマニュアル通りで問題ないはず*2。
TigiOne-Volumio-Installation-Config-Guide.pdf
raspotify設定
raspoifyを使ってSpotify Connect経由で再生させる場合に、再生デバイスを明示的に指定している場合は、 「/etc/default/raspotify」 を編集して指定デバイスを変更する*3か、ALSAの設定を変更して再起動する。
GitHub - dtcooper/raspotify: Spotify Connect client for the Raspberry Pi that Just Works™
音質
ようやく「DigiOne Signature」経由で再生できるようになったので、その音質を聴いた。まず最初に感じたのは、USB接続に比べて圧倒的に音が力強くなり芯の強さを感じられる音になったこと。「DigiOne Signature」自体が決して安いとは言えないパーツなので、あまり効果を感じられないとわざわざインドから輸入した身としては困るのだが、ここまで変わるとは正直びっくりした。これには、いい意味で期待を裏切られた。
具体的には、ハイハットやピアノなどの高音と、ベースやバスドラなどの低音のアタック感が以前よりも強く感じられ、左右の広さや解像度はそのままに前後の奥行きが増したようなイメージと言えばいいだろうか。かといって、決してドンシャリ気味の音になったという訳ではなく、やはり芯が強くなったという表現が適切な気がする。組み合わせているヘッドフォンや、オーダー製作してもらったヘッドフォンケーブルの特性もあるので音質については主観となってしまうが、今回投資した以上の音の変化を充分感じられて満足している。