初老のボケ防止日記

おっさんのひとりごとだから気にしないようにな。

家庭内おひとりさま向けホームシアターをつくろう(その4)

前回の続き。

osa030.hatenablog.com

さて、Windows PCでの使用感は好印象であった「SXFI AMP」、公式サイトによると対応しているデバイスは以下となっている。

  • Windows 10 バージョン1703(Creators Update)以降
  • macOS バージョン10.13(High Sierra)以降
  • PS4
  • Nintendo Switch
  • Android 7.0以降(一部機種を除く)

「俺シアター」こと、家庭内おひとりさま向けホームシアターに使うタブレットとしてできるならAmazon Fire タブレットを、あわよくばiPad Proを視野に入れていたのに…と思ったが、実際に以下のデバイスに繋いだら音が出た。

  • iPad mini4 (iOS 12.x)
  • Amazon Fire HD 10 (2017)

「SXFI AMP」はバーチャルサラウンド機能がウリであるが、接続機器側からすればただのヘッドホンアンプ。つまり、接続機器が「USB Audio Class 2.0」に対応していれば普通に利用できるのである。

なお、iPadの場合は新型iPad Pro以外はUSBポートがないので別途"Lightning - USBカメラアダプタ"等を用意する必要がある。また、iOS版の「SXFIアプリ」では本製品と接続ができないので接続したiPadから"ヘッドホン"と"イコライザー"の設定は行えない。
Amazon Fire HD 10 (2017)については、AndroidベースであるもののベースとなるAndroidのバージョンが5.xなので「SXFIアプリ」は要求を満たしておらずインストールできない。其のため、iPad同様に接続したFireタブレットから"ヘッドホン"と"イコライザー"の設定は行えない。

聴き比べてみた

ということで自宅にある色々なデバイスに接続して違いがるのか聴き比べてみた。

  • AQUOS R2 Compact(Android 9.0)
  • iPad mini4 (iOS12.x)
  • Amazon Fire HD 10 (2017)

残念ながら宗教上の理由でMacは所有していないので試すことは出来なかった。また、PS4とSwitchは今回の「俺シアター」の対象外なので試してない。
これらのデバイスで、前回同様にドルビーのトレーラー動画を再生してWindows PCに接続した場合との聴き比べを行った。ヘッドホンは「Creative Aurvana Live!」のみ。なお、これらのデバイスはドルビー対応しているのでトレーラー動画再生時に音が出たが、ドルビー対応していないAndroid端末(AQUOS sense2)では映像のみで当然ながら音は出なかった。

AQUOS R2 Compact

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接続方法

USBポートはtype-Cなので「SXFI AMP」付属のType-C to Type-Cケーブルで接続。なお、ダイソーで売っていたType-C to Type-Cケーブルでも普通に利用できた。

再生条件

AQUOS R2 Compactは「Dolby Atmos」に対応しているのでそのままではAndroid側でバーチャルサラウンドがかかってしまう。OS設定で「Dolby Atmos」を無効化し、本体にトレーラー動画ファイルを転送して純正動画プレーヤーで再生した。

感想

サラウンド感はそれなりに感じられるものの、Windows PCに接続した時と比べると重低音の迫力に欠け各チャンネルの定位も弱く感じる。

iPad mini 4

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接続方法

新型iPad Pro以外のiOS機器はUSBではなくLightningポートのみ。なので普通はApple純正の"Lightning - USBカメラアダプタ"を経由するのがセオリーなのであるが、以前お試しで購入して速攻手放したのでまた買うのはなんか嫌だ。
ということで、Amazonで売ってた非純正のアダプタを購入して試してみたところ、見事利用可能であった。なお、アダプタに繋いでいるUSBケーブルもダイソーで売っていたTType-Cケーブルである。

再生条件

本体への動画ファイルの転送方法がわからないので公式サイト上のトレーラー動画をブラウザ(Safari)で直接再生した。

感想

(Androidと同じ)

Amazon Fire HD 10 (2017)

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接続方法

USBポートはmicro Bなので「SXFI AMP」付属のType-C to Type-Cケーブルに同じく付属のmicro B変換アダプタをつけて接続。この手の機器をAndroidに繋ぐ場合、ケーブルも変換アダプタもOTG対応である必要があるので、変換コネクタも付属してるのは親切だ。

再生条件

本体にトレーラー動画ファイルを転送してVLCプレーヤーで再生した。

感想

(Androidと同じ)

考察

せっかく音は出たのに、ちょっぴり残念な結果であった。ところでどうして他のデバイスはWindows PCと違うのだろうか。Windowsだけメーカー製の特別なドライバーをインストールしたならともかく、WindowsもOS付属(Microsoft製)の「USB Audio Class 2.0」ドライバを使っているだけである。

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ただし、ドライバの設定で「5.1ch/7.1ch」を指定しないとマルチチャンネル出力できないこと、AndroidやiOSにはそのようなOS設定は存在しないことから、

PC以外のデバイスはUSB接続時に2chステレオ出力しかできない説。

が自分の中で濃厚である。AndroidとiOSがUSB接続時にマルチチャンネル対応しているかの情報は皆無であるので真相はわからないが、聴き比べた印象も含めてそうなんではなかろうか。普通に考えれば、タブレットに外部機器ぶら下げて使う層なんて殆どいない上にUSB接続してオーディオ再生するのはオーディオヲタク位でさらにはマルチチャンネル出力なんてする奴のことを開発側が考慮する訳がないし。もし自分がジョブズだったら「美しくない。」って速攻却下。

だが、ガッカリすることはない。確かに、PC(Windows)とタブレット(Android/Fire OS/iOS)で交互に聴き比べると明確に違いは感じるものの、「SXFI AMP」を使った時と使わない時との音質の違いに比べればそこまで大きな違いはない。

通常、ヘッドホンで音楽を聴くと音が頭の中で鳴っているように感じる。これを"頭内定位"と呼び、実際にスピーカーから音を出して聴くのと比べて音場感が足りなくなってしまうものらしい。もう久しくスピーカーから音楽を聴いていないので忘れてしまった感覚であるが、店頭でオーディオ機器のスピーカーから流れる音を聞くと確かにヘッドホンとは異なる響きにウットリしてしまい買ってしまいそうになる。家じゃ好きに音を鳴らせないのに。2chステレオ録音である音楽ですらそうなのに、5.1ch等のマルチチャンネルで制作された映画の場合は言わずもがな。外部の音が遮断されるのでセリフが明瞭に聞こえる等のメリットはあるものの、全ての音が近くで聞こえてすぎて本来製作者が意図した音場感の再現ができているとは言い難い。

ところが「SXFI AMP」を通すことによって、ヘッドホンから音が出ているにもかかわらず、あたかも頭の外から音が鳴っているように聞こえるのだ。しかも、前後左右の方向からだ。使い始めた当初は、音楽向けのヘッドホンでそのような聞こえ方することに違和感を感じてしまい映像に集中できなかったのだが、しばらく使い続けているうちにあたかも劇場で音を聞いているかのような臨場感として捉えられるようになった。もちろん、作品によっては効果が強すぎてセリフが遠く聞こえてしまう点や、元々2chステレオで作成された作品(TVドラマやアニメ)だと逆効果に感じてしまう等、全てが満足できる訳ではないものの個人的にはタブレットであっても映画を見る時は「SXFI AMP」を積極的に使いたいと思う程に効果はある。

ということで、PCとタブレットのどちらで利用するかは実際に映画を見る時の劇場選び同様に、作品に対する想いで考えればよいレベルだ。大迫力で見たい作品なら遠出してIMAX(PC)、そこまで気合入ってない時は最寄りの劇場(タブレット)で、みたいな感じである。さて、うまいこと言えたつもりであるが、じゃあ、

IMAX(PC)で堪能できる作品って何があるのよ?

これが一番重要なのだが、実際にはややこしい話であった(続く)。