初老のボケ防止日記

おっさんのひとりごとだから気にしないようにな。

音楽配信サービスの楽曲を高音質で聴く方法(2022年8月版)

手間暇(金)かけて検証しました…。

少し前に、今どきの音楽配信サービスをまとめましたが、今回はそれぞれの音楽配信サービスを高音質で聴く方法について整理してみました。

osa030.hatenablog.com

検証機材

実際に、次の機材を使って音楽配信サービスを契約して再生してみた。

スマートフォン

iPhone

iPhone単体ではロスレス再生に対応していないので、ロスレスで再生するにはUSB-DACを繋ぐ必要がある。

Apple Music のロスレスオーディオについて - Apple サポート (日本)

現在愛用中の「Apple iPhone 12 mini」に後述のUSB-DACを接続して有線ヘッドホンで確認した。

Android

Android上で動作するアプリの音は、OSのSRC(サンプリングレートコンバーター)を必ず経由するので、ハイレゾ音質の楽曲を再生してもダウンサンプリングされてしまう。

なぜ、Androidでは「Amazon Music HD」がハイレゾ再生にならないのか? - 週刊アスキー

ウォークマンなどのAndroid 搭載の音楽再生専用機(DAP)や一部のAndroidスマートフォンでは、このSRCを回避する策が講じられている。今回は、ネットでSRCが回避されているとの情報があった「SONY Xperia 10 Ⅲ*1」と「OPPO Reno5 A*2」 を実際に購入して、iPhone同様に後述のUSB-DACを接続して有線ヘッドホンで確認した。

USB-DAC

現在利用している「iFi audio GO bar」が、スマートフォンがUSB-DACに送信しているサンプリングレートがLEDで判別できるのでこれを使った。

osa030.hatenablog.com

検証結果

3台のスマートフォンで試してみた結果。

Spotify

結論

何使ってもOK。

解説

CDクオリティの「Spotify HiFi」が未だに開始されておらず、未だにロッシー(圧縮音源)なので、音質とかそんなのかんけーねーって感じでお手持ちのスマートフォンと好きなイヤホンまたはヘッドホンでお楽しみください。勿論、ワイヤレスでオッケーです。

少しでも音質を良くしたい場合は、OS*3やUSB-DAC*4やイヤホン/ヘッドホンが提供するアップサンプリング機能を使うのがいいかもしれない。

Apple Music

結論

iPhoneと24bit/192kHz対応にしたUSB-DAC使え。

解説

今回試したAndroidの2機種共にSRC回避はできていたものの、アプリの再生画面に表示されるサンプリングレートとUSB-DACのLEDで示されるサンプリングレートが一致しないケースがあった*5。同じ楽曲をiPhoneで再生させた場合は、画面とLEDは一致したのでAndroid固有の問題と思われる。原因がOSなのかApple Musicアプリなのか謎だが、Apple的には自社製品ではないので"あっそ、ふーん。"という感じかもしれん。

なお、USB-DACを選ぶ際の注意点としてMFi認証付の製品はDACの性能に関わらずApple純正「Lightning - 3.5 mm ヘッドフォンジャックアダプタ」と同じ「24bit/48KHz」が上限となるらしい。必ずApple Musicの最高音質である「24bit/192kHz」まで対応と明記された製品を選ぼう。

Amazon Music Unlimited

結論

音質を重視するなら正直オススメしません。

解説

DAC側のLEDを見る限り、アプリの再生画面に表示されるサンプリングレート関係なく必ず「24bit/192kHz」で再生される。しかも、iPhoneでもAndroidでも同様。つまりアプリの仕様っぽい。

Amazon Music HDについて – Fiio Japan

ロスレス以上の音源はそのままでも充分音質が良いし、アップサンプリングするにしてもよくわからないアルゴリズムで強制的に一律アップサンプリングされるより自らの意思でOSやUSB-DACが提供する高度なアップサンプリング機能から選んで使いたいですよね。

TIDAL

結論

MQA対応のUSB-DAC使えば、iPhoneでもAndroidでもよい。

解説

TIDALはMQAという方式で楽曲を配信しており、最大限の音質で楽しむには2段階のデコードが必要となる。

MQAのしくみ | MQA

iOS/Android版のTIDALアプリで1段階目のデコードは行えるが、その場合88kHz/96kkHzが上限となる。ということで、2段階目のデコードをして最大限の音質で楽しむ場合にはMQA対応のUSB-DACが必要となるのだ。

また、Android版のTIDALアプリは、MQA対応USB-DACを直接利用することができる*6。この場合、OSのSRCは経由しないのでSRC回避の策が講じられていない一般的なAndroidスマートフォンであっても問題はない。 さらに、Androidで「USB Audio Player PRO」という音楽プレーヤーを使えば、排他モードでTIDALを再生することもできる(MQAコアデコードには課金が必要)。

まとめ

SRC回避できるAndroidスマートフォンでも、必ずしもロスレスの音楽配信サービスを提供楽曲そのままの高音質で楽しめる訳ではない。結局のところ、音楽配信サービスから提供されるアプリの完成度が一番重要であり、そこにはサービス提供側の考えが反映されている(ように思える)。Appleが自社製品であるiPhoneを優遇するのは戦略として当然であるし、音楽配信サービス専門のTIDALがプラットフォーム問わず音質にこだわるのも納得がゆく。ただし尼(略。

そんな訳で、高音質で楽しみたいからとウォークマンのような高級DAPを買っても結局アプリがイケてなければ音源を忠実に鳴らせないことがわかったので、高まる物欲と酔った勢いでポチらなくて良かったと心底思いました。

*1:グローバル版のXQ-BT52

*2:ワイモバイル版

*3:XperiaのDSEEとか

*4:iFiのGTOフィルタとか

*5:Android は共にOSバージョン12、Apple Musicアプリはベータ版

*6:このような利用形態を"排他モード"と呼ぶ