HTC U11 lifeの兄弟機Android One X2を使ってみて
「HTC U11 life」が各MVNOやECサイトから発売されるようになったので、兄弟機である「Android One X2」を2ヶ月間利用した感想を共有しておく。
製品情報
まずは「Android One X2」と「HTC U11 life」の概要だ。
Android One X2(以下、X2)
X2 | HTC 日本
Android One X2|スマートフォン|製品|Y!mobile - 格安SIM・スマホはワイモバイルで
2017年12月発売。Y! mobileのキャリアモデルとして国内ではU11 lifeよりも前に発売された。キャリアモデルなのでSIMロックされているものの「AndroidOne」なのが特徴。 カラー・バリエーションは2色展開。
- サファイアブルー
- アイスホワイト
U11 life
2018年3月発売。 X2とは違ってSIMフリーであるが、AndroidOneではない(UI周りはHTC独自の「HTC Sense」)。販売当初は楽天モバイルのみの取扱だったが、他社MVNOやHTC公式、ついにはAmazonでも取扱が始まった。カラー・バリエーションはX2よりも1色多い3色展開
- サファイアブルー
- アイスホワイト
- ブリリアントブラック
現在は以下のMVNOとHTC公式eショップとAmazonから購入が可能となっている。
楽天モバイル:HTC U11 life
HTC U11 life 端末詳細 |格安SIMのNifMo(ニフモ)
HTC U11 life | 格安SIM/格安スマホのIIJmio
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X2とU11 lifeの違い
X2とU11 lifeの違いは、突き詰めれば以下だけ。
- SIMフリーかどうか
- AndroidOneかHTC Senseか
ハードウェアのスペックは同一なので、SIMロックを解除してしまえば違いは"AndroidOneかHTC Senseか"だけだ。つまり、ほぼ素のAndroidかメーカーが色々カスタマイズしたAndroidかと言う違いだけなのだが、その違いは画面の見た目にも現れている。
X2(AndroidOne)
U11 life(HTC Sense)
くわえて、HTC SenseなU11 lifeには「HTCセンス・コンパニオン」というHTC独自の機能が搭載されているのでその機能に惹かれる人にとってはU11 lifeが魅力的かもしれない。一方、X2はほぼ素のAndroidなので「HTCセンス・コンパニオン」は搭載されてないし、UIもHTC Senseと比べるとセンスが足りない気がしないでもないが、発売から24カ月間に最低1回以上のアップデートが保証され、発売から3年間はセキュリティアップデートが実施される。
現時点(2018/8/24)では、X2は既にAndroid 8.1にアップデートが提供されているが、U11 lifeはまだAndroid 8.0のままなので、常に最新のAndroidが使いたいという人ならばX2がよいだろう(これでX2がAndroid 9にアップデートされなかったら泣くけど)。
自分もできれば最新のAndroidが触りたい派なので、今回はSIMロック解除済のX2の白ロムをフリマ経由で入手した。
X2の使用感など
以降、X2を2ヶ月間利用した使用感を述べるが、上記の通りハードウェア的にはU11 lifeと変わらないのでU11 lifeが気になる人にもある程度参考になるかと思う。
基本性能
X2を使う以前は、以下のモデルをSIMロック解除してY! mobile回線で利用していた。
Xperia™ XZs | スマートフォン | 製品情報 | モバイル | ソフトバンク
2017年5月発売と、X2より半年程前のモデルだがハイエンドモデルということもありスペック的にはX2よりも格上、であったのだが実際にX2に乗り換えたところで違和感はなかった。というのも、スペックを比較してみるとCPU以外はミドルクラスのX2も半年前のハイエンドのXZsに負けていないのだ。
機能 | XZs | X2 |
---|---|---|
CPU | MSM8996(クアッドコア) 2.2GHz+1.6GHz |
SDM630(オクタコア) 2.2GHz + 1.8GHz |
RAM | 4GB | 4GB |
ROM | 32GB | 64GB |
自分はSNSやニュースアプリを見るのが主でゲームをやらないライトユーザなので、CPUの性能差はほとんど気にならなかった。実際にはスクロールの速さやWebページの表示速度等のUI操作の体感に違いを感じない訳ではなかったものの、慣れてしまえば気にならないレベルだしX2のアプリを使っていてストレスを感じることはなかった。なお、複数アプリを起動した時にもたつきを感じることがなく快適だったのは、X2のメモリ容量がXZsと同じ4GBというのが大きいと思う。
カメラ
X2のカメラの画素数はメイン・サブ共に約1600万画素と悪くはない。ただ、昨今のスマホが続々と採用しているデュアルレンズカメラではない。なので、カメラの写りは凄く綺麗だと声を大にして言うほどのものではないのだが個人的にはSNS向けの写真を撮る程度ならば必要十分な画質だと思う。参考迄に自動モードで撮影した画像をInstagramのフィルタを適用してアップしたものを貼っておくのでどんなものか各自で判断してもらえればよい。
なお、X2に変えてから後述する"エッジ・センス"を利用するといつでも撮りたい時に撮影できるので今まで以上にカメラを使う機会が増えた。
エッジ・センス
「エッジ・センス」については以前、上位モデルであるU11をモニター利用した時に詳細を書いた。 osa030.hatenablog.com
ようは、握る強さによって2種類の操作を割り当てることができる機能である。これをカメラ起動に割り当てることで取りたい時にサッと撮影することができる。大抵の人はスマホはロックをかけて使用していると思うが、スマホを取り出して写真を撮ることを考えると一番多くて以下の手順が必要ではないか。
- スマホを取り出す
- スリープを解除する
- スマホのロックを解除する
- カメラを起動する
- 撮影する
指紋認証や顔認証でロック解除できるタイプのスマホであれば、
- スマホを取り出す
- 認証でスリープ&ロックを解除する
- カメラを起動する
- 撮影する
と短縮されるが、X2で「エッジ・センス」にカメラを起動を割り当てている場合は、
- スマホを握りながら取り出す
- 撮影する
たったのこれだけ。また、撮影についても握るだけで可能なので撮影までを片手で完結することもできる。 もちろん、握ることですべての操作ができてしまうとロックをかけている意味がないので、ちゃんとカメラ撮影のみに限定したモードでスリープ&ロックを解除されてカメラ起動するので、撮影は本人以外でもできるがそれ以外の操作は(過去の撮影画像表示も)できないようになっている。
Uソニック・ハイレゾ
X2はハイレゾ再生にも対応している。が、どんなにいい音源を再生しても現実には聴く人の耳の聞こえ方次第で聴こえ方は変わってしまう。X2には、ひとりひとりの耳の聴こえ方に合わせて音のチューニングを行う「Uソニック・ハイレゾ」という機能がある。
「Uソニック・ハイレゾ」についても以前、上位モデルであるU11をモニター利用した時に詳細を書いた。
簡単に言えば、耳の聴こえ方を測定して自動的にイコライジング調整してくれる機能だ。残念ながら、付属イヤホンのみでしか有効とならない機能であるが、付属イヤホンもイヤーチップを変えるだけでさらに音質を良くすることも可能なので興味がある人は是非イヤーチップを変えて試してもらいたい。
Bluetooth
X2はステレオミニプラグの差込口が存在しない。つまり、普通のイヤホン・ヘッドホンを利用するにはType-Cとステレオミニプラグの変換アダプタが必要となるのだが、製品には付属されておらず純正品以外で動作するかは使ってみないとわからない上に現時点では純正品のアダプタはHTC公式eショップのみでしか手に入らない。
【DC M321】USB_Type C to 3.5mm Adapter for HTC
幸いにも、X2はBluetoothで音楽を聞く時に対応しているコーデックが豊富だ。
aptX HD、LDACはハイレゾ再生にも対応したコーデックなので、これらのコーデックに対応したBluetoothイヤホン・ヘッドホンを購入すればBluetooth接続でも良い音で音楽を聴くことができる(この場合Uソニック・ハイレゾの機能は使えない)。勿論、現在所有しているお気に入りのイヤホン・ヘッドホンを活かしたい場合はこれらのコーデックをサポートしたBluetoothレシーバを使うのもアリだ。因みに最近は以下の製品のような聴覚補正が行えるBluetoothイヤホン・ヘッドホンも増えている。
beyerdynamic Amiron Wireless JP テスラドライバー搭載 Bluetooth 対応 密閉型 オーバーイヤー ヘッドホン
- 出版社/メーカー: beyerdynamic
- メディア: エレクトロニクス
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ベイヤー Bluetooth搭載ダイナミック密閉型ヘッドホン(ブラウン) beyerdynamic Aventho Wireless JP BR
- 出版社/メーカー: ベイヤー
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
エレコム Bluetooth ワイヤレスレシーバー HPC1000 リケーブル MMCX端子 LDAC対応 ブラック LBT-HPC1000RC
- 出版社/メーカー: エレコム
- 発売日: 2018/07/13
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
防水・防塵
X2は防水IPX7、防塵IP6Xとなっており、ミルスペックモデル並みとはいかないものの、多少の水濡れ程度であれば問題なく利用できる。実際に、この2ヶ月間は週に2,3日は湯船に浸かりながら濡れた手で操作していたが特に故障した形跡はない(勿論、濡れた手で触っても問題ないという話で過度の期待は禁物だ)。
指紋認証
X2の画面下、ホームボタンの位置に指紋センサーがついている。指紋認証はこれまでXperia XZ、XZsしか利用経験はないものの、それらに比べるとX2の指紋センサーは優秀だ。これはU11の時にも感じたのでHTCの指紋センサーがSONYよりも優れているということなのだろう。指紋センサーの位置もあるのだろうが、Xperiaの時は1回で認識されないケースが多く最終的に指紋認証以外の手段でロック解除していたのだが、X2にしてからはほとんど1回で認識されて非常に快適に使えている(当たり前だが濡れた指では反応しない)。
おサイフケータイ
X2はおサイフケータイに対応している。今までおサイフケータイ対応モデルといえばMNOのキャリアモデルのみであり、最近は徐々にAndroidOneやSIMフリーモデルでも対応モデルが出始めてきたものの、まだまだ選択肢は少ないのが現状だ。おサイフケータイと言えばSuicaであり「モバイルSuica」を使いたいが故にキャリアモデルを選択し、盛り沢山の使わないプリインアプリにうんざりした人も多いのではないだろうか。
くわえて、最近「Android Pay」も利用可能となったので「モバイルSuica」を使わなくとも各種ポイントカードを取り込むことで財布の中身が軽くなったのは割と便利である。「Android Pay」について知らない人は以前調べたこちらの記事を参照頂きたい。
ここが残念だよX2
さて、ここまでは良い点ばかり書いてきたが、個人的に残念に思うところもいくつかあるのでそこはちゃんと伝えておきたい。
フォントが変更できない
X2に限った話ではないが、AndroidOneのフォントはGoogleが設定している「Noto CJK」という中日韓共通のものだ。前に使っていたXZsは5種類の日本語フォントから自分の好みのフォントを選択できたのだが、AndroidOneの場合はフォントの変更ができない。慣れれば違和感はないのだが使い始めの時は趣味に合わないフォントで本当に困った。なお、HTC SenseなU11 lifeのフォントについては不明なのでフォントを気にするタイプの人は店頭で実機で確認して頂きたい。
シャッター音が煩い
これもX2に限らず、ひょっとするとHTC伝統なのかもしれないが、カメラのシャッター音が煩い。音量というよりは高音がキツく耳に突き刺さる感じなのだ。飲食店で「スタバなう」をするのにも躊躇うほどの音なので、そのような場所では「無音モードアプリ」などを使う配慮が求められる。
USBケーブルの差込口が真ん中じゃない
X2はUSBケーブルの差込口が何故か真ん中ではなく右側に存在する。これの何が問題かというと
スマホスタンドにまっすぐ立たない。なので、無理やりスマホスタンドを加工。
100均で購入したスタンドなのでどうってことはないけど、オサレな高いスタンド使ってる人は地味に困るのではないかな。
アクセサリーが少ない
もともとAndroidはiPhoneと比べるとアクセサリー類に難があるのだが、XperiaやGalaxyなどのメジャー勢はともかく、ガジェット勢を除くと国内の認知度が高いとは言えないHTCのスマホに関しては、もうこれは本当に選択肢が少ない。今回X2の入手にあわせて急ぎでガラスフィルムとケースを調達したのだが、逆に悩む時間は不要な程でした。
ガラスフィルム
数が少ない上に使用レビューも殆ど無いので直感で購入。
本当は全面保護タイプがよかったのだけれども、エッジセンスを使いたかったので握る度に端から空気が入ってガラスが浮いてこられるのは困るという理由から、今回は最低限液晶面のみ保護するサイズのこちらの製品をチョイスした。
エッジセンスを多用しても浮きもなく、指紋センサーも普通に使えているので製品としてはオススメ。但し、ギリギリサイズなので貼る時には最新の注意でやりましょう。
ケース
本当は手帳型ではない本革製ないしは革っぽいケースが欲しかったのだが、そんな洒落た落ち着きのあるケースなんてありゃしない。仕方がないので暫定でこのケースを購入。
Vicstar Android One X2 / HTC U11 life ケース カバー TPU保護 ソフト シリコンケース 薄型 衝撃吸収 耐衝撃 柔らかい手触り グレー
- 出版社/メーカー: Vicstar JP
- メディア: エレクトロニクス
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綺麗な背面が台無しではあるものの、ゴムの質感が手に馴染むのでデザイン面を除けば割と気に入っている。
今回U11 lifeの販売チャネルが増えたので、今後ケースは充実するに違いない。GRAMASさんあたりが対応ケースをだしてくれないかなあ…。
ということで、実際に使ってみて残念な点をあげてみたが、どれもこれも大した問題ではなく性能面に関して言えばなんら不満はない。そのぶんローエンドモデルと比べると価格が高いのだが、ハイエンドモデルに比べたら半額程度なので悪い選択ではないと思う。
新品にこだわらないのであれば、X2の白ロムという選択肢も値段を考えると悪くはない。ただ、赤ロム化等のリスクやY! mobile以外で利用するにはSIMロック解除が必要な点などは理解した上でご判断頂きたい。